６つのモニターに映し出される戦争の映像

これは私が幼少期の時に体験したお話です。

当時、私は眠りにつくと不思議な夢を見ることが多くあったのですが、その中でも鮮烈に記憶に残っている夢があります。
それは白くぼやけた空間で目の前に６つのモニターがあり、私それを眺めるようにして深く椅子に座ってる場面から始まります。

すると私の右側から、黒い身なりで３０代後半くらいの男性がスッと現れ、私を見ながら言いました。
「この人死んじゃう」そう呟きながら彼が指差す先のモニターに一人の男性の姿が映し出されていました。

その映像をよく見るとどうやら戦時中の映像らしく、周りで多くの大人が争っている姿が見えました。

実はこの夢を見ていた当時の私は戦争の知識がなく、それが何の光景か分からず、見たことのない人が、見たことのない物で争っている…ただそれが恐ろしいものということはわかり、怯えながらそれを眺めていました。

そんな私に、黒い身なりの男が「どれにする？」と尋ねてきました。
気づくとその他のモニターにも、それぞれ違う映像が流れていて、しかしそのどれもが似たような戦争の映像でした。

私は何だかその質問に答えてはいけない気がして「どれも嫌だ」と答えると
「…よかったね」と一言呟かれたのと同時に目が覚めました。

寝汗でべっとりな不快感と、冷えた体の感覚に安心したことを今でも覚えています。

どうして、当時知らないはずの戦争の映像が夢で見えたのか、あの時もし、私が６つのモニターのうち一つを選んでいたら一体どうなっていたのか…