インターネットの闇

私が大学生だった当時、仲間内でエゴサーチが流行っていました。GoogleやSNSの検索窓に自分の本名を打ち込んで検索をかけ、その結果を笑い話にするのです。
友人たちの話を聞いてるうちに私も興味が出て、帰宅すると同時にパソコンを開いて、検索窓に自分の本名を打ち込みました。検索結果の大半は学校の公的な記録でしたが、画面をずっとスクロールしていくとあるサイト名が目にとまりました。

なんだろうと思ってクリックすると同時に背景が真っ黒なサイトに飛ばされ、高校の卒業アルバムを引き伸ばしたらしい私の顔写真がでかでか表示されました。

「コイツを殺してくれたら100万円」

自分の写真の下に真っ赤な字で書かれた文字を見て、一瞬思考が停止しました。そこには私の本名はおろか住所まで載っており、高校時代の私がどんなクズだったか、匿名の誹謗中傷が書き込まれていました。もちろんサイトに書かれた内容に心当たりはなく、写真を掲載した犯人もわかりません。断言できるのは私と同年度の卒業生の中に犯人がいるということだけです。

警察に通報しようか悩んでいた数日後、突然サイトは閉鎖されました。個人情報が削除されてホッとしたのも束の間、今度は外出のたび人目が気になるようになりました。
あのサイトがまたどこかで復活して私にはまるで覚えのない悪行の数々が流布していたら、それを真に受けた人間が命を狙ってきたら……。

現在、私は部屋にひきこもって怯えています。