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心霊

足が太いさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

どこまでもついてくる
長編 2022/01/15 08:39 518view
和歌山県にある有名な観光スポットの三段壁が、心霊スポットとしても有名だと知ったのは、私がそこで恐ろしい体験をした後のことです。

8月の暑い日、家族で和歌山へ旅行しました。
三段壁も観光ルートに入っていて、当日は快晴で、不思議な形状の崖と海の景色が美しくて感動しました。
しかし、その時に妹が「ねぇ、あの人、下に落ちそうじゃない?大丈夫かな?」と、おかしなことを言いだしたのです。
妹が指を指したのは、遠くに見える崖のあたり。
でも、目を凝らして見ても、誰もいる様子は見えません。

「誰もいないけど、見間違いじゃない?」
「おかしいなぁ、崖の下をのぞき込んでる人が見えたと思ったんだけど…」

そんな会話をしながら、私達は他の場所も観光してから一泊した後、翌日家に辿り着きました。
「色んな場所に行き過ぎて疲れたね」「次はもうちょっとゆったり出かけたいね」なんて家族で話していると、妹がポツリと「ねぇ、やっぱりあの崖で見た人、見間違いじゃないと思う」と、言い出したのです。

「何、どうしたの?○○(妹の名前)、あんたちょっと顔色悪いけど…風邪でも引いた?」
「風邪じゃないよ、お母さんもお父さんも、お姉ちゃんも見えないの?あの人、あの時からずっと私達の後ろついてきてたじゃん」
「あの人って?」
「あの崖で見た人」
「ええ?どこにいるのよ」
「…この部屋にいるよ。あの崖のところから他の場所に移動してる時も、ホテルに泊まった時も後ろをついてきてたよ。それから家に帰ってくる時もついてきて、皆と一緒に玄関入ってこの部屋まで来たよ」

妹がそう言った瞬間、バツンッという甲高い音と共に部屋の電気が消えたのです。
電気が消えたのはほんの数秒程度で、その後すぐ点いたのですが、怖くて皆、ひと言も言葉を発せませんでした。
妹がこんな冗談を言う子ではないと家族皆知っているので、「本当に何かがついてきて、今も同じ部屋に居るのかもしれない」という恐怖から、「佐伯さん(仮名)家に行こう」ということになりました。
佐伯さんは父方の親戚で、昔から不思議な体験をしてきたらしく、心霊的な問題に耐性があるのだとか。
今回もいわゆる心霊的な問題じゃないかということで、「佐伯さんなら何か知っているかも」と藁にもすがる思いだったのです。

父がその場ですぐ佐伯さんに電話して事情を説明すると、快く了承してくれたようで、家から車で5分くらいのところにある佐伯さんの家に行きました。
移動している間も妹がチラッと後ろを振り向く度に「いる、ついてきてる」と言うので、気が気じゃなかったです。
佐伯さんの家についてインターホンを鳴らすと、何かが入った手の平より小さい容器を持った佐伯さんが出迎えてくれました。

「よく来たね、取りあえず気休め程度だけど、これやっときなよ」
「なんですか?塩?」
「そう、お葬式の帰りとかにやるでしょ?調理用の塩だけど、やるのとやらないのとでは違ったりするから」
佐伯さんは手に持っていた塩が入っているらしい容器を私達の肩や背中にパッパとかけてから、部屋に案内してくれました。

「電話で話し聞いた時から、あぁ、いるなぁって思ってたけど、本当にいるね」
「いるって…、佐伯さんにも見えてるんですか?今はどこに?」
「○○ちゃん(妹)しか見えてない感じかな?俺が入ってくるなよって睨んだから、今は玄関の前にいるよ」
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