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不思議体験

足が太いさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

イタズラ好きの山の主
長編 2022/01/03 16:50 3,842view
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私は以前は心霊体験なんてしたことがなかったんです。
しかし、ある出来事がきっかけとなり、それ以来、不思議で怖い体験をするようになりました。

全ての始まりは5年前、私が29歳の時のことです。
山登りが趣味という友達に誘われて、合計4人で某県のとある山に登ることになりました。
その山は道がちゃんと整備されていて、初心者でもそこまで苦労せず登れますし、頂上まで行ってから麓まで戻って来るのに3~4時間くらいです。
運動が苦手な私でも休み休みであれば問題なく登れる山で、景色も良くてそれなりに楽しめました。

問題が起こったのは、頂上から麓まで降りる時です。
山登りが趣味の友人を先頭にして、私は最後尾を歩いていたんです。
朝に登ったので、昼過ぎの明るい山道を下っていました。
頂上から半分あたりまで下ってきたあたりでしょうか。

後ろから足音と、何かの気配がしたんです。
その気配というのは、身長160cm前後の私達よりもずっとずっと大きな気配です。
「他に山を登っていた人達が降りてきたのかな?それにしては何だか変な感じがするけど……」と、思って振り返ってみたところ、何もいません。
不思議に思って前を向き、しばらく歩くと、やはり後ろから足音と気配がします。

振り向いて、でも何もいなくて、また振り向いても何もいなくて……。
そういうことが4、5回続いたので、ちょっと怖くなって、前を歩いていた友達に「実はさっきから、変なことが起こってるんだけど……」と、打ち明けたんです。
すると、その友達も私と同じ経験をしていたと言いました。
「チラッと振り返ったけど、何もいなくて不思議に思っていた」と……。

私達の話しを聞いていた他の友達も立ち止まって、「私も同じこと感じてた。なんかさっきから変だよね」と、言い出しました。
そうすると、一番前を歩いていた友達が山登りが趣味の友人がポツリと、「山ってたまにこういうこと、あるんだよね。とりあえず早く山を下りてしまおう」と言ったので、私達は若干早歩きで山を下っていったんです。

しかし、私達が早めに歩き出すと、足音と気配もそれに合わせているかのように早くなりました。
「気にしないようにしよう、振り向いてはダメだ。振り向いたらどうなるか分からない」と強く思っても、気になって振り向きそうになります。
焦って足がもつれそうになりながら、やっとのことで麓まで下りて、その日は泊まりだったので、宿泊施設まで皆で急いで走っていきました。

「怖かったね」「あれ、なんだったんだろうね」と友達と話しながら、その日泊まるビジネスホテルでチェックインして、各自部屋に入りました。
ホテルに荷物を置き、皆でもう一度集まって近くの飲食店へ行って夕食をとった後は、ホテルに戻って眠ることに。
本当は夜の観光地を歩いてみようとか、ホテルにある温泉に入ろうという話しもあったのですが、山で起きた出来事で皆が精神的に疲労していたので、ご飯を食べて各自部屋のお風呂に入って眠ることにしたのです。

次に異変があったのは、夜、眠っている時です。
1人1部屋でホテルを予約していたので、私は1人でベッドに眠っていたのですが、うとうとした頃にベッドの近くを誰かが歩いている足音が聞こえました。
パタパタ、パタパタパタと、聞こえてくる足音と感じる気配は、山の時に似ています。
それに気づいた時、ゾワッと鳥肌が立ちました。

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コメント(1)
  • いい話ですね

    2023/08/16/12:40

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