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ウンジャミさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

沖縄の神秘 キジムナーの不思議な話
長編 2021/12/26 21:20 7,971view
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私が住んでいる沖縄県には、キジムナーという精霊がいると言われています。

そのキジムナーは、沖縄県にあるガジュマルの木に住んでいると言われ、キジムナーを見た人は、幸せになれるそうです…。

これは、私が、おばあちゃんに聞いた話なのですが、何でもおばあちゃんは、キジムナーに命を救われたことがあるというのです…。

それは、おばあちゃんが、まだ中学生だった頃の話らしいのですが、その当時、沖縄は戦争で、地上戦が行われていたそうです…。

おばあちゃんも戦火から逃れるために、必死で、走り回り、逃げ続けていたそうなのですが、アメリカ軍の銃撃はやまなかったそうです…。

近くにあった、大きなガジュマルの木の下で、動かないようにして、身を潜めていたところ、ガジュマルの木の上から、おばあちゃんの名前を呼ぶ声がしてきたというのです…。

おばあちゃんは、ビックリして、上を見たそうです…。

すると、そこには、赤い髪の毛で、背が小さい、小学校低学年くらいの、木の葉っぱの服を着た男の子がいたそうです…。

おばあちゃんは、その男の子に

「そんなところに居たら、危ないよ。アメリカーに見つかるよ。降りておいで。」

と言ったそうです。

すると、その男の子は、素直に木の上から降りてきたそうで、おばあちゃんといろんな話をしたと言います…。

「なんで、私の名前を知っている?会ったことあるか?」

おばあちゃんがそう聞くと、その男の子は、

「ないけど、お前のことはよく知っているさー。」

そう言ったそうです…。

「なんでね?」

そう聞くと、

「俺は、沖縄に産まれたみんなを知っているからさー」

そう言われたおばあちゃんは、

「あがい、この男の子は、戦争で親を亡くしたかなんかして、頭がおかしくなったんだはず…」

そう思ったそうです。 

しかし、話をしていくにつれ、なんか違うような気がしてきたと言います。

なんと、その男の子は、おばあちゃんの両親のことも知っていて、

「お前の父は、今、戦地に行っているだろ?最近、銃で撃たれて、治療を受けていると、手紙が来たはずだ。その手紙を読んだ、お前の母は、『生きて帰ってきてください、家族が待っています。』と、泣きながら、手紙を書いたはずだ。」

おばあちゃんは驚きました。

その男の子の言う通りだったからです…。

1週間くらい前、戦地にいる父親から手紙が届き、銃で撃たれて、治療中と書いてあったのです…。

母親も、泣きながら、その男の子が言った内容の手紙を書いて送ったのです…。

「なんでわかる?お前は、誰か?」

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