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不思議体験

ミッツさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

なかよくし手
長編 2021/12/23 11:53 3,338view

これは私が小学生の時の出来事です。

私の家は会社勤めの父と週に4~5日ほど朝から夕方までパートに出かけている母とそして弟との4人家族です。
当時、私が小学3年生、弟は小学1年生でした。

当時、私と弟は仲が悪く、喧嘩の毎日。
「そのおもちゃで遊びたい」「そのお菓子が食べたい」と自分のものに手を出されて私が怒り、弟が泣いてしまう。
喧嘩の原因が弟にある場合にも、母からは「あなたはお姉ちゃんなんだから我慢しなさい」と言われ、弟びいきな母を見て
私はさらに弟に対して嫌な気持ちが増していきました。

そんな私と弟との関係にはおかまいなしに、母がパートで出かけている今日も家には私と弟の2人きり。
自宅は私たちが生まれてすぐに建てられた2階建ての一軒家で、まだ幼い私たちにはとても広く感じ、
昼間でも家の中が暗く寒く感じていたのを覚えています。

大嫌いな弟でしたが、母が帰ってくるまで一人でいるのは怖い。
そんな気持ちの私は仕方なく弟と一緒にリビングでアニメビデオを弟と一緒に見ようとしました。

「それは見たくない。こっちが見たい」

自分勝手な弟の発言に腹が立った私は弟の言葉を無視して、自分が選んだビデオを再生して見始めました。

隣で弟は「いやだ!見たくない!」と泣きながら騒いでいます。
それでも無視し続けていると、いつの間にか静かになってビデオを見始めた弟に私は一安心して、そのまま再生を続けました。
でも、終盤に差し掛かるにつれて、飽き始めたのか「違うのがいい!」「いやだ!」と騒ぎ始める弟に苛立ちはピークに達しました。

「うるさい!!!!」

私は再生しているビデオの声が聞こえないくらい大きな声で弟に向かって叫びました。
一瞬時間が止まったかのようにピタッと動きを止める弟。

そして、「うっ、うッ、う”わあぁああ”ん」と鼻水と涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら泣き始めました。
こうなるともうお手上げで、いつも弟を泣かせた私が悪いと叱られていたことが影響してか、今母が帰ってきたらどうしよう…。
そんな焦りでいっぱいになりました。

今の時間は午後3時過ぎ。
いつも母が帰ってくる時間まではまだ2時間ほどありました。
それでも不安で仕方なかった私は弟をそのままにして、リビングから出て外の様子を見に行こうとしました。

バンッ…!

玄関まで来て、靴を履き替えていると何か重いものが床に落ちたような音がしました。

恐る恐る玄関のすぐ近くにある2階へ続く階段を見上げます。
特に変わった様子はなかったのですが、何故か”こわい”と感じてしまった私は慌ててリビングに戻りました。
そして弟に「2階にワンワンがいたよ」と嘘をついて泣き止ませ、2階の様子を見に行かせました。

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