奇々怪々 お知らせ

呪い・祟り

えみいさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

1番奥の部屋の怪異と歴史の一致
短編 2022/01/02 16:48 1,251view

中学3年生の頃まで住んでいた実家での話です。

昔住んでいた家は変わった間取りの家でした。
元学生寮ということで真ん中に長い廊下がある縦長の間取りで、両サイドに部屋やキッチンがある作りの平家一戸建てです。
6LKほどの広さで4人家族で住むには十分すぎる広さでした。
私も自分の部屋と遊び部屋の2つを持っていました。

そんな家では広すぎる故使わない部屋が1つありました。廊下の1番奥突き当たりの部屋です。
その部屋はあまり使われずリビングからも遠いので使いにくい部屋でした。
他の部屋のみで十分生活できたので物置としても使用されていませんでした。

昼間は日当たりが良いのですが、夜になると廊下の電気が届かないので引き込まれそうなほど真っ暗な部屋です。

そんなある日、小学1年生私は怖い夢を見ました。1番奥の部屋から何者かが覗いているのです。
確実にこの世のものではない白い女か男かもわからない痩せこけた顔を半分だけ出してわたしのことをじっと見つめています。

突如”それ”はすごい速さで廊下を走ってこちらに向かってくるのです。
わたしは必死に走って光が灯るリビングに逃げるのですが、追いつかれる寸前でいつも目が覚めます。
この夢をわたしは6年間見続けました。

それから1番奥の部屋が怖くて日中も近づくことができなくなりました。
6歳下の弟がいるのですが、弟も何かを感じるのか1番奥の部屋を見て怖い、怖いと言っていました。

私たちの異常に怖がる姿を見て両親が流石に心配し、この土地の歴史やお祓いなどを調べました。
すると、とんでもない事実が隠されていました。

この家の裏手あたりが昔墓地だったようで、墓地を全て撤去し近隣の家が建てられたそうです。
そして、特に大きく立派な墓石があった場所が、ちょうど1番奥の部屋の下になるそうです。

いつもわたしのことをじっと見つめ追いかけてくる”それ”はその墓石の主なのか、詳しいことはわかりませんがそれ以来両親もこの家自体を嫌がり高校入学する前に引っ越しました。

あれから数年経ちますが、しばらくしてその家は買い手がつかず解体され今は更地になりました。

成人を過ぎた頃1度だけ夢に出た”それ”は、まだあの家に住んでいました。
あの土地に執着しているようなので早く成仏してほしいです。

1/1
関連タグ: #事故物件#墓#夢#石
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。