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山椒魚さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

謎のシェパードおじさん
短編 2021/12/17 11:57 1,044view

私が中学2年生の時、その学区内にシェパード犬をつれたおじさんがいて、登下校する生徒にからんでくるという怖い噂のようなものがありました。
生徒ないでは「シェパードおじさん」と呼ばれて、噂話の種にされていました。

そのシェパードおじさんの見た目は大柄で、スキンヘッド、ぶつぶつと何かつぶやきながら、大きなシェパード犬を散歩させているといったものでしたが、私や私の友人たちは実際には見たことはありませんでした。

そんな噂が流れて、しばらくした頃、私は野球部だったので、練習で遅くなり、7時頃に友達と帰ることとなりました。
他の部活の生徒たちも一斉に帰っており、夜の7時頃だというのに、学校の前は生徒がたくさんいました。

私たちは中学の正門のところまで行くと、なにやら人だかりができています。
お調子者だった私は人だかりをかき分けて、何が起きているか見に来ました。

するとバスケットボール部で同じクラスのK君がシェパードおじさんに首を絞められて泣いていました。
すぐに、他の生徒が先生を呼びに行き、残っていた教育指導のN先生が走ってきました。

N先生は教育指導の先生ということもあって、私たち生徒の間ではぶっちぎって怖い先生で、体格も大きかったのですが、シェパードおじさんはそのN先生よりも一回り程大きかったです。

N先生がシェパードおじさんとK君の間に割って入り、事情を聴くと、K君がシェパードおじさんに向かって「死ね」と言ったということでした。

私はK君と同じクラスだったので、K君は比較的おとなしい性格の子で、知らない人にいきなり死ねなどという子ではないことを知っていました。

しかし、シェパードおじさんは「こいつが俺に死ねって言うた」と激高して、K君につかみかかろうとします。それをN先生が仲裁するのですが、K君もとても怖かったのでしょう「僕は何も言うてない」とぼろぼろと泣いていました。

そのまま、何分かしたところで警察のパトカーがやってきて、シェパードおじさんは連れていかれました。

ここまで、私の記憶があるのですが、次の日、あれだけ大騒ぎだったのにもかかわらず、K君はふつうに登校してきて、誰も昨日のことについて話をしないのです。それどころかシェパードおじさんの噂話すらなくなったのです。

私も、クラスが一緒というだけで、特に仲の良いわけではないK君にあまりわざわざ昨日のことを話すのもどうかと思い話さなかったのですが、友達に昨日のことを話しても、「???」といった反応が返ってくるだけでした。
あまりしつこく話をすると頭のおかしいやつだと思われるので、私もシェパードおじさんの事を話さなくなったのですが、この年になるまで、このシェパードおじさんの事件をはっきり覚えているのに、中学時代の違う世界に来たように周りは知らないという不思議な感覚はなんだったのでしょうか?
シェパードおじさんは本当にいたのでしょうか?

私の中学時代の不思議な話です。

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コメント(1)
  • 実はかなり危険な人でみんな口止めされてたとか…

    2021/12/17/12:25

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