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心霊

yumyさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

夜中に動くゴンドラブランコ
短編 2021/01/03 11:58 1,693view
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私の育った実家のすぐ隣は、ちょっとした公園になっていました。そのため、昼はもちろんのこと、夜も人の声がしたり、ブランコに乗っている音などが聞こえていました。

夜中にも公園に訪れる人がいるようで、静かななかでゴンドラ型のブランコがギーギーと動く音がよく聞こえていたのです。うるさかったねと家族に話しても、みんなは気がつかなかったというような感じで全く相手にしてはくれません。
私が耳がいいだけ?神経質なだけ?と思いつつ、ブランコの錆びれた部分が擦れ合うような音が聞こえる日は多かったのです。

しかし、全国で公園の遊具の危険性がささやかれ始めると、ゴンドラ型のブランコも頭を挟むかもしれないなどの危険性によって、動かないように固定して椅子のような役割で保存しようということになったのです。

これで夜中に遊ぶ人はいなくなると安心していました。しばらくは静かな夜が続いたのですが、ある夜、またしてもブランコを動かす音が聞こえたのです。ブランコは動かなくなったのにどうして?そう思ったのですが、ブランコの音はずっと聞こえています。

翌朝、ブランコを見に行ったのですが、やはり固定されていて、ほかにギーギー音を立てる遊具もありません。しかし、その夜もブランコの音がなり響き、私はとうとう見に行くことに。暗闇のなか、電灯はひとつだけ。ギーギーという音はずっと鳴り響いています。公園には誰もいません。もちろんブランコも動いていないのに、音はそのブランコからなりつづけてるのです。

意味がわからず、呆然としていると、ブランコの音が突然大きくなり、「ガシャン!」と音と共に「うぅぅっ」というおんな呻き声が聞こえ、ぱっと電灯も消え、ブランコの音も消えたのです。しかし、「うぅ、うぅ」という呻き声は聞こえ続けています。逃げなきゃと思っても身体は動きません。
すると、耳元にふわっと風が吹いたかと思うと「だれか」とか細い声が伝わり、私は悲鳴とともに家に逃げ込んだのです。母にこのことを話すと、顔を歪ませましたが、気のせいだと言われました。あの公園には何かある。けれど、何もわからないまま翌年には私たちはその家を引っ越してしまいました。あの女とブランコ、何だったのでしょうか。

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関連タグ: #事故物件#声#金縛り
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