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心霊

ジュリーさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

勝手に動くお隣のシルバーカー
短編 2021/12/10 18:31 831view

私のお隣のお爺さんが老衰で亡くなりました。

生前はよくシルバーカーを押して私の家の前を通り、少し離れたところで座っていました。

しかし、いつからかその時間が長くなり、3時間程真夏の炎天下で座っていることが続くようになりました。

「暑くないのかな?」「倒れないかな?」と心配になって窓を見ていたのを今でも思い出します。

亡くなってからしばらくは葬儀でバタバタしていました。

半年ほど経った頃だと思います。

隣の家からバタン、キィというような音がし、来訪者でも来たのかと思っていました。

翌日も、翌々日も不定期な時間に音がします。

こんな毎日誰かが来るなんてと思って玄関を見た時。

なぜかシルバーカーが家の前の道に置かれていました。

周囲に人の姿はなく、なんとなく恐怖を感じてその日はすぐに家に入りました。

その翌日もまた音がします。音がした後見に行くとまたシルバーカーが道に置いてある。

それが続いた後、業者が来てシルバーカーは撤去されました。

撤去後音がすることもなくなり、未だに隣人の奥さんにはそのことは黙っています。

お爺さんが亡くなった後も歩きに行こうとしていたのかな?とふと思い、恐怖心と悲しさの混ざったような思いになります。

家を出た時、ついお隣の家の前を見ては無造作に置かれていたシルバーカーの残像が蘇ります。

そういえば、あのシルバーカーはどうやって出し入れを繰り返していたのだろう?まさか無人で?と考えてしまいます。

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関連タグ: #事故物件#夏#隣人
コメント(1)
  • シルバーカーは老人用の乳母車みたいな手押し車でシニアカーは電動車椅子なんですね。
    ネーミングセンスが微妙ですね。

    2021/12/12/19:15

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